着物・帯一つに込められている蚕の命・職人さんの技術。
先日、着付け教室のメンバーで、帯工場へ勉強に。
様々な学びがあったのですが、一番イメージが変わった事。
それは、「着物・帯ができるまでの制作プロセスのもの凄さ」です。
絹は蚕が吐き出す糸からできている事はもちろん知っていますが、カイコが吐き出した糸から、着物・帯ができるまでのプロセスを改めて聞いた時に、この目の前にある商品が完成するまでに、多くの蚕の命が断たれていること、そして多くの技術を持った職人さん達の思い・技術が詰まっている事を知りました。
蚕は3日間かけて、自分の家(繭)をつくります。
人間は、絹を取るために蚕が蛹化して繭を破って出ようとする前に繭のまま冷凍して蚕を殺し、お湯に通して絹を取り出しやすい状態にするんだそうです。
着物一反には、一体何匹の蚕の命が必要だと思いますか?
おおよそ、約2800匹ぶんの繭玉が必要だそうです。
蚕さんのお命を頂戴して、素晴らしい技術を持った職人さんが一つずつ織っていく。
とてつもない贅沢がそこにはあります。
今までも、私の思う範囲で感謝して着させてもらってはいましたが、その思いを遥かに凌ぐ深い世界がこの一つの商品の中に込められている事に感動しました。
「命を頂いている」という気持ちで着物を着る事。
次回着物を着る時は、いつもより更に気を引き締めて、その美しさを纏いたいと思っています。